予備校の先生

大学受験に失敗し、予備校に行くことになった。この予備校時代、自分で言うのもなんだが、朝から晩まで本当によく勉強した。全ての試験が終了するまで休んだのは元旦だけだったと記憶している。予備校時代、沢山の思い出があるが、予備校の先生については次のエピソードをよく覚えている。


予備校では京大理系コースに入ることができた。京大理系コースは2クラスあり、クラス分けでポンさんは下のクラスになった。何を基準にクラス分けされたのか覚えていないが、下のクラスで劣等感を抱いていた。ある授業で先生が「このクラスは公立高校出身の人が多いんじゃないかな。その人たちは伸び代があるよ。進学校の生徒みたいに十分に勉強してきてないだろうから。そう、アンダーデベロッパーだよ皆さんは。だから勉強すればまだまだ伸びる」と言ってくれた。自分が公立高校出身なのでこの言葉は本当に心に響き、この言葉を信じて努力することができた。


理系の学部をめざしていたので化学の授業を受けていた。ある日、化学の授業で遅れて教室に入ってくる生徒がいた。それに対して化学の先生は「自分はプロとして真剣にみんなと向き合っている。だから皆さんも真剣に向き合って欲しい。その気がないのであれば授業に参加しなくていいよ。」と本気で叱ってくれた。予備校の先生には高校の先生のように人を育てることは期待されていない。とにかく予備校生を大学に合格させれば良いのだ。なので、授業に遅れてくる生徒がいても、他の生徒に迷惑がかかることがなければ怒る必要はない。この1件で、先生の熱意がすごく伝わったし、この先生のおかげで化学が受験の際に得点源になってくれた。実際、本命の大学入試の化学では、かなりの難問が出題されたが解答することができた。感謝しかない。