野球 -前編-

小学校から高校まで野球を続けた。一歳上の兄が野球をやりたいと言って少年野球のチームに入ったことがきっかけである。親が兄の練習についていくので、自動的に私も練習について行くことになり、「あなたも野球をやるんでしょ」となし崩し的にチームに入団したのである。こんな感じだったので、少年野球チームでの練習も試合も全く楽しくなかった。むしろ、苦痛で仕方がなかった。


中学校に入学し、野球部に入った。テニス部、卓球部、陸上部など、いろいろ選択肢がある中で「でも、自分ができるのは野球だけだしな」と勝手に思い込み野球部に入った。今思うと、この思い込みが間違いだった。楽しいと思って野球をやっていなかったので、技術的にも大したことはなく、なのでレギュラーになれなかった。中学校の部活ではありがちな話だが、顧問の先生がいない時は真面目に練習をしない部員もいた。ただ、自分は練習はきちんとしないと嫌な性格だったので、顧問の先生がいなくても真面目に練習をしていた。それを見ていた他の部の顧問の先生が授業中に「野球部で一番上手いのは○○やな、でも、一番練習をしてるのはQポンや」と言ってくれた。本当に嬉しかった。ただ、一生懸命練習をしていたわけではなく、サボるのが嫌だっただけなんですけどね。良い思い出はこれぐらいですね。


レギュラー陣が試合後に「今日は打数安打だった」という会話を楽しそうにしている光景を見るのが苦痛だった。補欠はいつも0打数0安打だから。いずれにせよ、好きなこと、やりたいことをやらないと上達しない、その典型例だと今は思う。