転職

春は企業の研究所にも新入社員が加わり、何となくフレッシュな気分になる季節である。一方で、同じ職場で働いていた研究者が突然、新たな環境を求めて研究所を去っていったりする季節でもある。同じ職場で働いた人が去っていくことに寂しさを感じますが、今の時代、一つの会社で終身勤め上げるのが美しいというような価値観はもうないので、批判的な気持ちにはなりませんよね。一度の人生なので、自身がやりたいと思うことにチャレンジすれば良いですよ。

ポンさんも転職のための面接を受けたことがあります。大学の教員の募集に応募して面接を受けました。大学の教員になれば「先生」と呼ばれるので、気分良く人生が送れそうだし、また若い人達と接する機会が多いと自分も若い気持ちでいられるかな、と思ったのが応募の動機です。一般企業の研究者は博士号を持っていても「先生」とは呼ばれませんから。知り合いの大学の先生に仕事の内容を尋ねると、「結構、気苦労も多いよ」と言われるので、まあ、どんな仕事でも良い面もあれば悪い面もあるということでしょうね。

いずれにせよ、見事に、ポンさんは全ての面接で不合格だったので、転職せずに現在に至っています。まあ、「先生」向きの人間ではない、ということですよ。格好良く言うと、考え方が斬新すぎる、先鋭すぎる人ということですね。一般的に言うと、「変な人」なのでしょう。